【ブックレビュー】嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え(岸見一郎)

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嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え [ 岸見一郎 ]

価格:1,620円
(2017/11/2 16:56時点)
感想(443件)


本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか?もしくは、なにも変わらないのか…。さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょう―。(「BOOK」データベースより)

一般認知度の低かった「アドラー心理学」を世に広めたベストセラー

人は誰でも「他人に嫌われたくない」と思うもの。その気持ちが空回りしてしまうこともよくあります。そんな当たり前の「嫌われたくない気持ち」に真っ向から勝負を挑むようなタイトルからドキッとさせられます。

それまで一般的な認知度が低かった「アドラー心理学」が、この一冊で一気に知られるようになりました。私にとっても初めて触れたアドラー心理学です。
感想を一言で言えば「シンプル」、そして「今ここ」を生きることの大切さ。物事を複雑に考えすぎて疲れてしまう人の心を、すっと軽くしてくれるヒントが満載の一冊です。

これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについて何の影響もない

この一言に勇気付けられる人は多いのではないでしょうか。引き寄せの法則においても、過去や現在の状況は関係ないとよくいわれます。
アドラー心理学では過去を悔やむことを良しとしません。それはトラウマすら明確に否定するほど徹底しています。

人生は他者との競争ではない

昔から「隣の芝生は青い」と言いますが、人と比べないようにしようと思っていてもなかなか徹底できないのが人間です。哲人が語るように「誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいい」そんな人生を歩みたいものですね。

自由とは、他者から嫌われることである

本書の中盤を過ぎたあたりから「嫌われる勇気」の核心部分が出てきます。自由に生きることと嫌われることのトレード、私ならどちらを取るだろうかと考えました。どうしても「自由でなおかつ誰にも嫌われない生き方」はないのかと考えてしまいます。

岸見先生がタイトルにした「嫌われる勇気」の意味とは。その真意を掴むために何度も読み返すことをおすすめします。「嫌われることを怖れるな」「わたしのことを嫌うかどうかは他者の課題」そんなドライに感じるほどシンプルで力強い「勇気づけ」の言葉たち。そこまで割り切ることは難しいと感じますが良い気付きをもらいました。

あなたは共同体の一部であって、中心ではない

宇宙という共同体に属している。なんだか引き寄せの法則に深く関係するような表現がアドラー心理学にも出てきます。より大きな共同体を意識すること、私とあなたから家族へ、地域へ、国へ、世界へ、宇宙へ。共同体の範囲は無限大と考えれば良いと哲人は語っています。
「宇宙の一部」「宇宙と一体」。
引き寄せの法則でよく語られる概念が、心理学の世界においても同様に扱われていることに驚きです。

他者を信じるにあたって一切の条件をつけない

裏切られることを心配し、そのときに受ける心の傷のことばかり注目する。けれど信頼することを怖れていたら結局は誰とも深い関係を築くことはできない。
アドラー心理学は単に理想論や学術的なことを並べ立てているのではなく、普段の生活の心構えとして役立つ実用的な心理学です。
その全てを実践するには「勇気」が試されますね。

人生とは連続する刹那である

われわれは「いま、ここ」にしか生きることができない。
引き寄せの法則、仏教、瞑想、マインドフルネス。
そしてアドラー心理学までもが共通して唱えているのが「いま、ここ」の重要性です。
哲人は「われわれの人生は点の連続でしかない。計画的な人生など、それが必要か不必要か以前に、不可能なのです」とまで言い切っています。
「いま、ここ」だけを真剣に生きるべき。わかっているつもりでいますが、感覚として掴むにはまだまだ修行が必要です。

レビューまとめ

“青年”と”哲人”による対話の形で物語が進行していきます。自己啓発の書籍で対話形式となっているものは他に「夢をかなえるゾウ(水野敬也)」や「サラとソロモン(エスター&ジェリー・ヒックス)」などがありますが、本書は全て哲人の書斎での対話となっており例に挙げた2冊と比べるとストーリー性はあまりありません。

ストーリー性が無い分、本全体が大きなQ&Aとなっており私たちが抱く疑問に哲人が的確に答えてくれます。著者の岸見先生は「恐らく読者はこういう疑問や質問を抱くだろう」ということに苦心され、工夫されたのだろうなと感じました。

哲人に問いかける青年は、まるで自分を見ているかのよう。少々理屈っぽく、ひねくれ者過ぎる感はありますが、どこか私に、そして多くの読者に通じるものがあるのではないでしょうか。自分が青年になったつもりで哲人の知恵を吸収してみましょう。
本書は難しい哲学書ではありません。人生の様々な場面に応用できる知恵が詰まった実践的な実用書です。
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直島 章真(Naoshima Shoma)

引き寄せの法則に代表される思考の世界に出会って15年。 元々は「理論的に引き寄せの仕組みが納得できないなら始めたくない」というひねくれ者。 思考に思考を重ねてようやく辿りついた独自の理論による不思議で素敵な思考の世界に皆さんをご案内します。 引き寄せで悩んでいる人、心が疲れてしまった人、そんな人たちに響く言葉がきっとあるはず。そう信じて言葉を紡いでいます。